SACMで管理されるサービスアダプタの動作シーケンスについて解説します。
サービスアダプタが起動する際は、回線の自動接続およびコンフィグの取得処理を行います。これを「Pull動作」と呼びます。
Pull動作のシーケンスは以下のようになります。
サービスアダプタは起動後、まずInternetへの接続を自動でセットアップします。PPPoEやDHCPなどの回線種別は通常、自動で判別されます。 Internet通信が可能となった後、まずLS(Location Server)に接続し、RS(Resource Server)へ接続するために必要な情報(Location-Config)を取得します。その後、RSに接続し最終的に動作可能なコンフィグ(Service-Config)を取得します。
LSへの接続は、一度成功すると通常はサービスアダプタ内にLocation-Config情報をキャッシュします。 よって、次回以降の起動ではRSへの接続から開始することになります。 (サービスアダプタの機種によってはキャッシュ機構が存在しないものもあります)
コンフィグ取得が完了したあと、サービスアダプタは自動的に「接続性確認」を行います。これは、取得したコンフィグの中身に誤りがあり、正常に通信が行えない状況となっていないかどうかを確認するためのものです。具体的には、サーバから実際にPush相当の操作を行ってみてサービスアダプタが正常に応答するかどうかを確認することで検証します。
接続性確認に失敗すると、Pullが失敗したとみなし、Pullのリトライ動作が行われます。 よって、仮にコンフィグを正常に取得できたとしても、コンフィグの内容や接続環境次第では正常に接続性確認が行えず、エラーとなって リトライで再接続が走ることになりますのでご注意ください。
これらPullシーケンスの動作状況については、SACMのコンフィグ反映状態アイコンの状況で確認することができます。 アイコンの意味は以下の通りです。
状態アイコン |
アイコンの意味 |
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コンフィグ未取得 |
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コンフィグ取得済 |
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操作用接続確認中 |
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操作・コンフィグ有効 |
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コンフィグ操作中 |
サービスアダプタは、Pull完了後、以下のいずれかのモードで動作します。
接続待受型
Pull完了後、いったんSACMのサーバ(RS)との接続は切断し、特定ポートにて待ち受け動作を行います。 SACMとの間で通信が発生すると、その都度TCPセッションを確立し、通信を行います。 SACMからサービスアダプタへのTCPセッションが確立可能な必要があるため、NAT環境下では動作しません。
接続持続型
Pull完了後、SACMとの通信用にTCPセッションを確立し、そのままそれを維持し続けます。 SACMとの間の通信は、すべてこのセッションを利用して行うため、セッションの接続/切断が発生しません。 セッションはサービスアダプタからRSに対して確立する形となるため、NAT環境下でも利用することができます。
接続モードは、ユーザが直接指定することもできますが、通常はサーバが自動的に適切なモードを選択して動作します。 現在どちらのモードで動作しているかどうかは、SACMコントロールパネルから確認することができます。
SACMでping, traceroute, コマンド実行などのオペレーションを実行すると、サービスアダプタに対して通信が発生します。 これを「Push動作」と呼びます。
PullやPushの各種オペレーションの実行に失敗すると、リトライ動作が行われます。 リトライ回数やタイミングはサービスアダプタ毎に異なります。